2017年1月20日金曜日

ビタミンCの大量投与



ビタミンCの大量投与とかケトン食で癌を殺すとか、最近、聞くので、ちょっと調べて見た。検索すると、アメリカの国立癌センターの患者向けのレビューがあった。日本語で要約しつつ引用しておく。効果が不明で、アメリカでは承認されていない。

出所は、High-Dose Vitamin C (PDQ®)–Patient Version


1.ビタミンCの大量投与は静脈からの点滴と経口投与による。経口投与だと癌に少ししか到達しない。

2. 研究は70年代からスタート、ポーリング博士が有名。当時は癌がビタミンC欠乏による結合組織の病気と信じられていた。

3. 実験室での研究では、ビタミンCの大量投与で前立腺癌、膵臓癌、肝臓癌、腸癌などの癌細胞の広がりを防いだり、遅くする。

4.動物実験での研究では、ビタミンCの大量を放射線療法や化学療法に併用すると効果があがる場合と、化学療法の効果を損ねる場合がある。

5.人間での研究
 1)乳癌の患者に静脈からビタミンCを大量投与した場合、統制群の患者と比較して生活の質が上昇した。
 2)回復不能の癌患者にビタミンCを大量に経口投与したところ、生活の質が向上した。
 3)ボランティアと癌患者にビタミンCを大量投与して1.5g / kgまでは安全だと分かった。---私なら一日120gにもなる。
 4)14名の膵臓癌患者にビタミンCを点滴で大量投与した場合、ほとんど副作用がなく、癌患者9名の状態は安定していた。
 5) 9名の膵臓癌患者に化学療法にビタミンCを点滴で大量投与した場合、1カ月の間症状が進行しなかった。
 6 )27名の卵巣癌患者で化学療法単独と化学療法とビタミンCの点滴による大量投与を組み合わせた場合、ビタミンCを投与されたグループの化学療法の副作用が少なかった。
 7)急性の骨髄性白血病、腸癌、転移性黒色腫の場合、ビタミンCと化学療法の併用は重大な副作用を起こし、病状が悪化した。

6.ビタミンCのリスクファクターは腎機能障害。腎臓病の既往症のある患者には適用できない。また遺伝病のG-6-PD患者も溶血の危険がある。

7. ビタミンCの大量投与と化学療法の交互作用はあまり研究されていない。Bortezombiという抗癌剤が効かなくなることが分かっている。

8.US Food と FDAはビタミンCの大量投与を癌治療や他のいかなる治療方法としても承認しない。

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